【d!】蛇とイチゴ【zm】 (ページ4)

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ちぐはぐページ4

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「お前は今日からここで暮らすんやで。」

コネシマと紹介された若頭の男が言う。精悍な顔つきで顔のパーツひとつひとつがはっきりとしたイケメンだ。ハキハキと話す声に目が覚めるような感じがする。
用意された部屋は、高校生にしては少し女の子らしすぎるというか、予想していたものとは大分違っていた。可愛いぬいぐるみやフリルのついたベッド、もこもこのカーペットに淡いピンクのカーテン。それらを無理やり畳の上に置いているものだから、なんでこうなったとしか思えなかった。
祖母の影響で和風なものは好きだから、畳で良かったもののそこに無理やり洋風の可愛いものをかき集めたらそりゃちぐはぐにもなる。

「親父が用意したんやで。良かったな。」

父は随分と自分を幼い子供だと思っているな。Aはそう感じていた。しかし、小さい頃に会えなかったこともまた事実であるから、その分今可愛がりたいのかと思うと、用意してもらったことに感謝こそすれど、文句なんて言うものじゃない。

「そうですね。ありがとうって言っておいてもらえますか。」

コネシマはAの言葉を聞くと、柔らかく頷いた。
それで、Aが荷物はどこにあるのだろうと部屋の中を見回していると、縁側で大きな声で人を呼ぶ。

「ゾム！」

コネシマがそう言うと、一分も経たないうちにぬっと男が現れた。縁側の方から降り注ぐ光が眩しくて、目を細める。そこにいた男は、暖かな春だと言うのにカッターシャツの上から黄緑色のパーカーを着込んでいて、愛想のひとつもない、むしろ表情が読めない、今日見た中で一番怖い人だった。強い人は立ち方で分かると聞いた事があるけれど、確かに少しも軸がブレていなくて、少しぶつかったくらいじゃ倒れなさそうな威圧感がある。
フードのせいで目元が影になっていて、どこを見ているのかもよく分からない。胸元で手をぎゅうと握りしめる。

「付き人紹介するわ。」

男はコネシマの言葉の後に、キャリーケースを置いた。Aのものだ。車から持ってきてくれたのだろうか。

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