検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:19,809 hit

┊第15話 ページ15

らだくんに「待ってて。」と言われ、大人しく待ってはいたが、私の心の中は色んな感情が渦巻いていた。


声を聞くのも怖かったのに、らだくんに「…なんか、あった?」と言われて正直嬉しく思ってしまったのも事実だ。
…反射で「なんでもない」と言ってしまったけれど。

らだくんは前から私の変化に気づくのが上手で、素直になれない私の心を何度も救ってくれた。


でも、これ以上優しくしないで。

いっそ、突き放して。


これ以上、この気持ちに気づかせないで。




……
(rd side)


急いでAの家に向かい、そのまま迷いなくインターホンを鳴らすと、少ししてからAが扉を開けてくれた。


「お邪魔します。」

『…うん。』


Aは少し言葉に迷っているようだった。
俺と目も合わせず、スタスタとリビングに向かって歩いていく。


扉を開けた瞬間に見えたAの顔は、なにかに怯えているように見えた。

…理由は分からない、俺がなにかしてしまったのだろうか。
そう考えたら家に来たのは得策ではなかったのかもしれない。

でも、気づいたら体が動いていたのだ。


何年もAのことをずっと見てきてるのに。



Aの不安も、何に怯えているのかも、

俺には分からない。




相変わらず俺と目線を合わせないまま『…なにか飲む?』と呟いたAの手を取る。
Aの肩が小さく揺れた。


「ねぇ、A。こっち、向いて? 俺のほう、みて。」


俺の言葉におずおずと顔を上げてAは俺と目を合わせた。


「…俺のこと、こわい?」


気づいたら口から出ていたその言葉。

俺の言葉に少しだけAは固まったが、すぐに『そんなことない!』と勢いよく否定した。


あまりの勢いの良さに、少し笑いが込み上げる。
笑ってる俺を見て、『なっ、なに!?』と慌てるA。


あぁ、良かった。 いつものAだ。


「…うん、やっぱAはその方がいいよ。」


俺の言葉にAは首を傾げている。


そんなAを見ていたら、愛おしさが込み上げて俺はまた笑った。

今度はAも笑ってくれた。


あぁ、やっぱり好きだ。



君の隣は心地良い。

┊第16話→←┊第14話(rd side)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
345人がお気に入り
設定タグ:実況者 , らっだぁ , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

とろとろ(プロフ) - ほんとに好きです…❕💗ご無理のない範囲で続きが見てみたいです! (7月8日 11時) (レス) @page20 id: a4693b188c (このIDを非表示/違反報告)
一 にのまえ - 更新頑張ってください! (2023年3月25日 14時) (レス) @page17 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - mikuさん» mikuさんコメントありがとうございます…!! とても嬉しいお言葉です;; (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - みのさん» みのさん、コメントありがとうございます~!! 頑張ります…!! (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - うあぁ、早く続きが読みたい!!ってすごく思いました!!めっちゃ好きです笑。作者さんのペースで頑張ってください!!更新楽しみにしてます! (2023年3月21日 22時) (レス) @page15 id: 98c979cc2c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルイ | 作成日時:2023年2月8日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。