┊第16話 ページ16
少し名残惜しかったが、らだくんと繋いでいた手を離して、らだくんをリビングのソファに座らせた。
改めて『なにか飲む？』と聞くと、「お茶。」と言われた。
『てっきりコーヒーかと思った。』と返すと、「好きだけどお腹壊すから今日は飲まない。」と少し不貞腐れた様子のらだくん。
そういえば学生時代も自販機でブラックコーヒーの缶を買ってはお腹壊してたな、なんて思い出す。
キッチンで2人分のお茶を用意して、青色のマグカップと赤色のマグカップに注いだ。
『ん。』
「ありがと〜」
青色のマグカップをらだくんの前に置いて、赤色のマグカップを手に持ったまま、私もソファに座る。
すると、らだくんが小さく笑った声が聞こえた。
『え、なに、緑茶だめ？』
「いや、ちがう。 しっかりしてんなぁと思って。」
笑いながららだくんが指を指すのは目の前にある青色のマグカップ。
なぜ笑っているのか分からなくて私は暫く考え込んだが、
『…何がらだくんのツボに入ってるの？』
と聞いてみた。 すると、らだくんは「ほんとに無意識じゃん。」とまた笑う。
もう一度マグカップを指さして、
「色だよ、色。 わざわざ青い方俺のにしてくれたでしょ？」
と言うらだくん。
その言葉を聞いて、私は『あっ』と声を上げる。
『そういうことね…？ 最近動画ばっか見てるから、スキンとか字幕の色のイメージ強くて…
…なんか、はずかし』
自分の無意識を自覚すればするほどなんか恥ずかしくなってくる。
でもらだくんの機嫌は何故か良くなったようで、にやにやしながら青色のマグカップを手に取った。
私はそんならだくんの様子を見て、今なら言えるかも、と思った。
きっと、私が想像していたような答えは返ってこない。
でもまだちょっと、怖い。
無意識にマグカップを持つ手に力が入ったまま、私は隣に座るらだくんを見る。
「A？ どしたぁ？」
私が口を開くよりも先にらだくんがそう呟いた。
1度深呼吸して、私は話を切り出す。
『いやじゃ、なかった…？』
「え？」
『わたしが、企画に参加してたの、らだくんの動画見てたの、いや、じゃない…？』
言葉が足りないのは分かっている。
でもこれが今の私の精一杯だ。
どうか突き放されませんように。
祈るようにして、私は空っぽになった赤色のマグカップに視線を落とした。
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とろとろ(プロフ) - ほんとに好きです…❕💗ご無理のない範囲で続きが見てみたいです！ (7月8日 11時) (
レス) @page20 id: a4693b188c (このIDを非表示/違反報告)
一 にのまえ - 更新頑張ってください！ (2023年3月25日 14時) (レス) @page17 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - mikuさん» mikuさんコメントありがとうございます…!! とても嬉しいお言葉です；； (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - みのさん» みのさん、コメントありがとうございます~!! 頑張ります…!! (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - うあぁ、早く続きが読みたい!!ってすごく思いました!!めっちゃ好きです笑。作者さんのペースで頑張ってください!!更新楽しみにしてます！ (2023年3月21日 22時) (レス) @page15 id: 98c979cc2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年2月8日 16時
