┊第5話 ページ5
お互い良い感じにお酒がまわっていたこともあって、そのままお会計をお願いする。
「誘ったの俺だし、俺払うよ。」
と言い出した相手としばらくどちらが払うか論争をして、結局じゃんけんで私が負けたので、大人しく奢られることにした。
居酒屋を出るとお酒で少し体温の上がった身体に夜風が当たって気持ちいい。
「Aって住んでるとこ変わってない？」
『え、変わってないけど。』
「じゃあ送ってくわ。」
そう言うとずんずん前に歩いていく。
そんな背中を追いかけながら『ちょ、ちょっと待って』というと、ちゃんと立ち止まってくれた。
そんな優しさに少し懐かしさを覚えて、ふはっと笑ってしまう。
「なに？」
『…いーや、優しいなと思って』
「そりゃ、俺はずっと優しいよ。」
「…それもそーだね。」
お酒の勢いに任せて口から出そうだった言葉は飲み込んだ。
なんて、今更言えるわけない。
自分の恋が叶うと思ってなかったし、断る勇気もなくて、なんなら少し距離を取った方がいいかもしれない、そしたら楽になれるかもしれない、なんて最低なことを考えて、学生時代、誰かから告白されたらそのまま付き合っていた。
でも、毎回毎回同じ理由で振られていた。
あいつにはずっと重い女が理由で振られていたとは言っていたけど、本当は毎回「俺のこと好きじゃないでしょ？」って言われて答えられなくて、結果的にお別れする形になってた。
今思い返すとそれはまぁ相手に対しても失礼な恋愛をしていたなぁと思うけれど、その頃の自分は、あいつとの関係を壊すのが本当に怖くて、何よりも恐ろしくて、告白して関係が変わるくらいなら、一緒に居られないのなら。
それでいいって思ってた。
でも、社会に出て、必然的に離れて、思っていたよりもこの男が居なくても大丈夫だって思って、やっと好きになれた相手が1年半前に付き合った彼氏だったんだけど、「そんな重い女だと思わなかった。」と振られた。
誤魔化しで言ってた理由が本当になって、元々自覚こそあったけど、「やっぱり自分は世間で言うと重い女なんだ。」としばらく凹んだ。
そう思うと、仲良くしてくれてたこの男の存在が心の中で大きくなって、でもまた、依存するのが怖くて、自分から連絡が取れなかった。
だから、今日会えて、今まで通り話せて、少し安心した。
そう、だから。 私は。
大丈夫なんだって思った。
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とろとろ(プロフ) - ほんとに好きです…❕💗ご無理のない範囲で続きが見てみたいです！ (7月8日 11時) (
レス) @page20 id: a4693b188c (このIDを非表示/違反報告)
一 にのまえ - 更新頑張ってください！ (2023年3月25日 14時) (レス) @page17 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - mikuさん» mikuさんコメントありがとうございます…!! とても嬉しいお言葉です；； (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - みのさん» みのさん、コメントありがとうございます~!! 頑張ります…!! (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - うあぁ、早く続きが読みたい!!ってすごく思いました!!めっちゃ好きです笑。作者さんのペースで頑張ってください!!更新楽しみにしてます！ (2023年3月21日 22時) (レス) @page15 id: 98c979cc2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年2月8日 16時
