┊第7話(rd side) ページ7
目の前でAがドアを閉めたのを確認してから、
「あ、あぶなかった〜……」
と呟いて顔を手で抑える。
自分の手から伝わる顔の温度が熱い。
たぶん顔真っ赤になってたの、Aにはバレてるだろうな。
変なところで一線を引いて気を使うようなやつだ。
気づいていても何も言ってこないだろうけど。
人の家の前であまり立ち止まっていても、ただの変な人だな、なんて冷静になって考えて、俺はAの家のドアに背中を向けると、今度は自分の家に向かって歩き出す。
少し冷たい夜風に当たって、自分の顔と頭を冷やしながらさっきはAと2人で歩いた道を、今度は独りで歩いた。
あぁ、少し必死になりすぎたかな。
そう反省しても、もう遅い。
「名前、呼んで。」
必死にそう願う自分を思い出して、また恥ずかしくなってきた。
もはや、意地だ。 そう、これは意地なのだ。
「…高校の時からずっと好きだって言ったら、笑ってくれるかな。」
疎らに灯る街灯を見上げながら、俺はそう呟いた。
…
……
………
『聞いて驚け。 この私に彼氏が出来たぞ。』
もはや定期開催となったAとの酒呑み会。
アルコールが回り、少し気分が良くなったのか、目の前の女は嬉しそうにそう言った。
あぁ、またか。
心の奥がギュッと詰まる。
「ふーん。 今度はどんな人？」
あくまでも平常心を装って、俺はそう聞いた。
高校時代から何度も繰り返したやりとりだ。
ただ、今までと違う点を挙げるなら、Aが自分から嬉しそうに話し始めたことだろうか。
今までは、最低限「そういう存在が出来た。」と俺に報告して、相手に合わせるかのように俺から離れていって、しばらくすると「振られた。」と言って戻ってきていた。
結局、俺のところに戻ってくるなら彼氏なんて作らなくていいのに。
そう思いつつも、Aの戻る場所は俺の隣なのだと優越感を感じていた俺がいた。
しかし、今目の前にいるのは楽しそうに交際相手の話をするAだ。
初めて、自分がAにとって、“ただの友達なのだ。“と突きつけられたような気分になった。
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とろとろ(プロフ) - ほんとに好きです…❕💗ご無理のない範囲で続きが見てみたいです！ (7月8日 11時) (
レス) @page20 id: a4693b188c (このIDを非表示/違反報告)
一 にのまえ - 更新頑張ってください！ (2023年3月25日 14時) (レス) @page17 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - mikuさん» mikuさんコメントありがとうございます…!! とても嬉しいお言葉です；； (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - みのさん» みのさん、コメントありがとうございます~!! 頑張ります…!! (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - うあぁ、早く続きが読みたい!!ってすごく思いました!!めっちゃ好きです笑。作者さんのペースで頑張ってください!!更新楽しみにしてます！ (2023年3月21日 22時) (レス) @page15 id: 98c979cc2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年2月8日 16時
