72話 ページ22
「ゔぉ……」
「あ、シャオロンか。やほ」
未だゾムが歩いているとビックリする。
スタスタ――…って
「…ちゃうちゃうゾム、どこ行くん?」
「カイザーさんとこ!暇やったから…シャオロンも来るか?」
「ま、まぁ心配やし一応」
「心配ぃ?もう前みたいに壁に衝突なんかせんわ゙ｯ―――……お前は何も見てへんええな」
「ダッサ」
いや全くもってダサくはないのだが。
むしろやばい。
多少壁に衝突しようが、全盲で難なく歩けてるんや。
壁に衝突しててもすごいこと。
衝突してたけど。
「それどうやって歩くんよ…」
「ん?普通に…歩数数えながらとか、なんかこの辺壁あるやろな〜って。やから人少ない昼間にしとるんや」
「はぇ〜」
頑張っとるなぁ…
カイさん家の前についた途端 焦り出したんはおもろかったけど。
「扉どこやっけ!!?」
「こ〜こっ」
「恥ず…」
―――――
「ようゾム――――シャオロンもか!」
ここんとこずっと、カイザーさんの思い出話とかしたり
たまに畑の手伝いしたり。
目が見えないながら頑張りました!!!オレ偉い!!!
「暇やってん〜、今日は何話してくれるん?」
「…ん?何も話さないぞ?」
――うぇ?沈黙の中過ごすってこと?
何、今日のメニューは瞑想か。やめてや そんなん毎日やっとる
カイザーさんの立ち上がる音と共に 空気が揺れた。
マジで視覚以外の四感が発達してくわ
「ゾム、手を伸ばせ」
「え?はい…」
手に当たった 何か をそのまま握る。
筒状で、ちょっと重くて―――これは
「…剣」
「戦士としての復帰訓練。ちょうどシャオロンもいるし、怪我しても大丈夫だな!!」
「俺帰ってええ?」
…振れるんか?オレが
ま、待ってくれ剣持って立ち上がるのめっちゃ不安定!?
床の感覚をしっかり掴まへんとスカして転げてまう。
「俺が今どこにいるかわかるか?」
「わかるよ、ここやろ」
声の方向、移動中の風の動き方……あとは勘。
カイザーさんがいるであろう場所に、剣のフラー部を当てる
コツ、と何かが触れた。
「それ桑?」
「…なんで分かんだよ…」
「音」
野生動物、超能力者、第六感巧者etc…
変なあだ名を付けられ始めた
目が見えへんくなると聴力はホンマに良くなる。
…Aを忘れそうなんや。
顔も匂いも足音も声も。
一番忘れたくない人が傍におらんくて
たまに狂いそうになるけど
「…ゾム?」
「待っててって、言われたもんな」
もう泣きたくない。
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天然記念ゴミ(プロフ) - ーーーさん» (^_-)-☆ (3月19日 2時) (
レス) id: bde2ec8f8b (このIDを非表示/違反報告)
ーーー - つ、つづきをくれーーー (3月18日 20時) (レス) @page26 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
こーど - めちゃ好き…面白いのになぜ伸びない… (12月28日 23時) (レス) id: 65133e32a9 (このIDを非表示/違反報告)
nu(プロフ) - 好きです…ありがとうございます……更新待ってます…！！ (12月27日 14時) (レス) @page8 id: b0397f8cd1 (このIDを非表示/違反報告)
アスカミ - 天然記念ゴミ様の別の作品の、「一目惚れ悪魔と，，，(略)」の転生モノだと思っていて…今回ようやく気付いて。それは出会っていなかったようなものなので… (12月25日 18時) (レス) id: 6edaad17fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天然記念ゴミ | 作成日時：2023年12月24日 15時
