59話 ページ9
3日後――――
『…ゾムさん』
「お!来てくれた〜、寂しかってん」
互いに少し落ち着き、私は毎日ゾムさんの部屋に通うようになった。
歩けないからベッドで伏せっきり――と言う訳でもなく、
普通に筋トレしてたり トイレへの道を覚えてたり。
ロボロさんのパン屋に行く時は手を引いて一緒に行く。
これが定着しつつあった
「真っ暗とかじゃなくて――
『…そっか』
「目ってさ、瞑ったらなんかモヤみたいなん見えるやん?多少の光もさ」
『――ほんとだ』
「それすらないんよ。超虚無」
……気に病まないように 明るく振る舞ってくれてる。
どうしても、いつものゾムさんじゃない。
楽しそうに見えるけど、どうも心が動いていない気がする。
コネさんの安否は心配なかった。
あの騎士蝶が、流麗な字で書かれた手紙を持ってきたのだ
シュヴィ
この“シュヴィ”というのは、あの魔族の名前なのだろう
騎士蝶はただこれを渡し、転送魔術で消えた。
まぁ、これが本当なのかはわからないけど。
…一体何なんだ。
殺すなら殺して欲しかった。はっきりして欲しい
なぜ中途半端に人を傷つける?
「…やっぱり、自分のせいやって思っとるやろ」
『そりゃそうでしょ。私が避けてればゾムさんの目は失くならずに済んだし』
「さぁ?あの後攻撃されとったら目ぇどころじゃなかったからな」
空が紫になりだした。
冬の逢魔ヶ時は、淡いオレンジやピンク、それに澄んだ空気も相まってとても綺麗だ
…一緒に見れないのが残念だけど。
『そろそろ戻るね。また明日も来るよ』
「ありがとうA。…ちょっとええ?」
ベッドに伏せた彼に呼び止められる。
「ん」
『？』
「コネシマもやってたやん、ハグ。オレもしてや」
『…うん、いいよ』
フワッ…と包み込むようにゾムさんを抱き締めた。
「へへっ」
『楽しそう』
「好きな人やもん」
『…仮定がどうのこうのって話はどこいった?』
「規定になった!」
嬉しそうに、口元しか見えないけど優しい笑みを浮かべている
でも、やっぱりどこか辛そうで。
当たり前だよ。
もう二度と色を見ることができない。
あの魔族が見せる未来は覆らない、と言っていた気がする
星の無い宇宙……もうこの事実は変わらないんだ
「ん、ありがと。じゃ明日な!」
『うん!』
…心から笑えない。
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天然記念ゴミ(プロフ) - ーーーさん» (^_-)-☆ (3月19日 2時) (
レス) id: bde2ec8f8b (このIDを非表示/違反報告)
ーーー - つ、つづきをくれーーー (3月18日 20時) (レス) @page26 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
こーど - めちゃ好き…面白いのになぜ伸びない… (12月28日 23時) (レス) id: 65133e32a9 (このIDを非表示/違反報告)
nu(プロフ) - 好きです…ありがとうございます……更新待ってます…！！ (12月27日 14時) (レス) @page8 id: b0397f8cd1 (このIDを非表示/違反報告)
アスカミ - 天然記念ゴミ様の別の作品の、「一目惚れ悪魔と，，，(略)」の転生モノだと思っていて…今回ようやく気付いて。それは出会っていなかったようなものなので… (12月25日 18時) (レス) id: 6edaad17fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天然記念ゴミ | 作成日時：2023年12月24日 15時
